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イタリア映画祭 2014「ようこそ、大統領!」をみて

 

 2001年のイタリア年から始まったこの映画祭、毎回楽しみにして見ている。

 

 今年は昨年の作品選びの教訓から、最初からコメディーを選んで見てきた。

 

 作品:『ようこそ、大統領!』:原題:Benvenuto Presidente ! 2013年制作 

 

 監督:リッカルド・ミラーニ Riccardo Milani

 主演は、コメディー映画の常連、クラウディオ・ビジオ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

下記は、「イタリア映画祭2014」のブローシャーより抜粋。

 

 抜粋の始まり

 

 政治という題材を巧みに笑いに昇華させた痛快なヒット作。山奥の村で図書館員として働き、釣りを愛する中年のジュゼッペ・ガリバルディは、穏やかな生活を送っていた。

 

 … 中略 …

 

 偶然の一致でジュゼッペが大統領に選ばれてしまう。政治家たちは辞任を望むが、その期待を裏切り、ジュゼッペの快進撃が始まる。

 

 抜粋の終わり

 

 イタリアの政治の現状をシニカルに、またコミカルに描き出した映画で、上映中、会場全体に笑いが絶えない鑑賞になった。楽しかった。笑った。

 

 物語を少し説明すると、 ジュゼッペ・ガリバルディという名前の人を、イタリア議会が大統領に指名したことから物語は始まる。イタリア全土に4人しか存在しないジュゼッペ。その一人、ピエモンテ州の田舎の村に住む50歳のジュゼッペ・ガリバルディがイタリアの大統領に選ばれてしまう。 愛称ペッピーノ。大統領にふさわしい人物ではないのは明らか。儀礼も知らず、法律も知らない一般の気の良い、陽気なおやじ。

 

 ローマ・クイリナーレ宮殿の大統領官邸に連れてこられ、副秘書官長の美女、ジャニスの叱咤激励を受けながら大統領の仕事に入り込んでいく。

 

 彼は、常識的な日常感覚のある50歳の正直者。その人間味、素朴さが発揮されて、危機に瀕していたイタリア国の債務の処理を、ブラジル大統領や中国の主席と個人的な人間性を武器に親交を深め、解決。

 

 一般的な国民の熱い支持を受けて、次々とリーダーシップを発揮して、問題を解決していく。

 同時に、イタリア人の男性らしく、美女のジャニスとの親交も、同時進行で深まっていく。

 

 国民の高い支持を受けて、悪を暴き、既成の政治家をとことんやっつける。 最終的には議会を解散し、自分も辞任する。その辞任演説で、

 

 「今の間違ったこの世界(イタリア)を子供たちに、このまま引き継いでいくのか」と国民に訴える。名演説だ。

 

 引退してペッピーノとジャニスは結婚する。ジャニスのお腹にはもう子供がいる。ピエモンテの山の中の小さな村で結婚式を挙げたペッピーノに、電話がかかってくる。ヴァチカンかららしく、「法王」という言葉に、驚くペッピーノで映画は終る。

 

 こんな物語から見えてくるのは、EUから国の財務状態を改善するように強制されているイタリア。多数の政党がが、入り乱れて、国としてのリーダーシップを取れる人がいないイタリアの政治の現実。素朴な良い人の国民たち。裏社会(マフィア)の存在も、汚れた政治もあり、政治的には閉塞感に満ちたイタリア。 しかし、人々は明るい。まさに一般人が、本当の改革をなすことが出来ると訴えかけているようだ。

 

 監督が表現したかったのは、

  ・イタリアの政治の現状に対する強いアイロニー

  ・一般人が大統領を務めるという、想像できない事が起こるコメディー

  ・一般人も、これだけやればヴァチカンの法王にだってなれるというパロディー

  ・イタリア人のもつ素朴なヒューマニティーだった…

 と受けとめた。

 

 とにかく楽しい映画だった。チャンスがあれば、ご覧になることをお勧めします。

 

 この映画祭を見ると、いつも思うのだけれど、劇画やアニメからの日本の映画、暴力とサスペンスとデズニーのアメリカ映画からは距離を置いた、楽しい映画。 しかし政治に対しても、喜劇性を持ち込んで注文をつけるアクティブなイタリア映画が、どっこい生きていると感じさせられた。

羨ましい。

 

 

 

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