てつんどの絵
僕の親父は、洋画家でした。3月10の東京大空襲で、谷中のアトリエを失くしました。
親父の祖父の故郷、岡山県、美作の国、旭川の水源のある上德山に疎開しました。家族は、僕の祖母、お袋、姉二人、親父と僕の六人家族でした。
油絵描きの親父が、中国山脈の山の中に帰っても、家族を養っていけるだけのものは何もありませんでした。祖先からの山や、畑や、田んぼは、親父が東京で絵描きの勉強中に食い尽くしていました。だから何も残ってはいなかったのです。
結果として、最後まで貧乏画家でした。
絵と僕の関係は早期に決していました。
僕が小さいころ、5~6歳のころから、水彩の絵を親父のまねをして描いていました。
ある日、あまりにもうまく、大人っぽく絵を僕が描いたので、親父は僕が描いたとは信じませんでした。大ゲンカになりました。今でも、はっきり、記憶してます。
結果として、「僕は絶対に絵描きにはならない」と早期決断をしたのだと思います。でも、僕の深いところでは、絵が好きだったのだと思います。
そんな僕が描いた、数少ない絵を並べてみたいと思います。並べてみると、風景と静物、動物しか描いていません。人は大の苦手だったと分かります。
1.描き始めの頃 : 新宿風月堂 窓明かり 新宿御苑
2.中野・三味線橋とか : 雷の夜 Sのアトリエ 外堀・弁慶橋
3.スケッチブックを持って : お堀の黒鳥 病葉 不忍の池・ハス
4.絵描きの卵に魅せられて : 夜のスタンド 上野文化会館 バイゾン
5.女子美生に魅せられて : 平林寺の竹林 平林寺の林 平林寺の松
6.自由な時間 : 鎌倉 大楠山1 大楠山2
7.失意のころ : 谷中 谷中の墓地 三浦半島・荒崎
8.一人の時間 : 西湖 千葉・木下(きおろし)
9.日比谷界わい : 日比谷公園 堀ばた 警視庁 祝田橋
10.新しい時の始まり : 夜の林 窓からの林 箱根 奥志賀